「……お兄ちゃん?」



まどろみがかった瞳がボクを映していた





細い声でボクを呼んだ





恐る恐るキミを見つめるボクの手を、





小さな白い手がぎゅっと握りしめる





「お兄ちゃん……」




小さな頃から変わらない




甘えん坊で泣き虫で、



でも人一倍優しいキミが、





「お兄ちゃん……ずっと大好きだよ」





ボクの手を引き寄せる





しゃがんで近付いたキミの大好きな笑顔を、





「ボクもだよ」





優しく強い力で抱き締めた





そして、穢れない瞳から落ちる綺麗な雫に贈る





最初で最後の




「愛してる……」




キミというタカラモノに……