あたしが朝寮を出る直前に、大貴は帰ってきた。

「悪い。大学の友達が倒れてさ」


それは確かに急ぎの用事だなと思いながら、少し不思議な気持ちになった。

「その人大丈夫だった?」

「ああ。最近忙しかったらしいからな。過労みたいなもんらしい」


「そっか。よかったね。あたし学校行ってくる」

「おう」