「内藤、おまえ真面目にやってるのか?」


「……もちろんです!」


突然なんだろう。

監督は眉間にしわを寄せた。



「おまえは手を抜いてプレーしているように見える」



どきっとした。

「そんなことは……ありません」


「おまえの身体能力なら、もっと動けると俺は思う」


そう言ってあたしを見据えると、念を押すように続けた。


「公式試合で手を抜けばメンバーに迷惑がかかる。わかるな?」


「……」


「練習に戻りなさい」



「か、監督……」