「今日の放課後、監督からメンバーの発表があるらしいから休むなよ。解散!」




教室へ戻る最中、優菜が言った。

「実力で決勝いけたわけじゃないのに嫌だよね」


優菜の言い方が「千夏も同じ気持ちでしょ?」と言いたそうなものだったので、あたしは自分が暗い顔をしていたのだと気が付いた。


「あー……なんていうか、仕方ないんだけどね」

「そうだけどさ」

「精一杯やろう、……ってまだメンバーに選ばれたわけでもないけどね!」


優菜は「まぁね」と笑った。




次のチェリーブロサムティアラの仕事を井乃月から受けて計画したのは、準決勝で敗れたからだった。



大貴とあたしは自分たちの学校生活に影響が少ないように仕事の予定を立てている。



大貴はもう随分とシミュレーションもして、計画を立てているようだから今更次の仕事を止めるということはないと思う。



ただでさえ上手くいくか分からない仕事なのに……

もしメンバーに選ばれたら練習も大変になる。


(決勝戦って、何日だっけ……)



変更があるかもしれないから、放課後監督に聞かなければ。


もし同じ日だったらどうしよう。


夜遅くまでパソコンに向かって計画を練っている大貴の後姿が浮かんだ。