自分の部屋に戻ると、窓から日の光が差し込んでいて、眩しくて目を細めた。

その光の通り道に、見つけた。



「エンゼルランプ」


それは、十星の部屋にあったと思われるエンゼルランプの鉢植えの1つだった。


出窓に置かれたそれは、朝日を浴びてきらきらと輝いている。



「どうした?」


着替え終えた大貴があたしの後ろに立った。


「……」


大貴は少し黙ると、あたしを押し退けて部屋に入りその鉢植えを手に持った。


「え……ねぇそれどうするの?」


険しい顔をした大貴がそれを持って部屋を出て行く。


「捨てる」


冷たく言い放った。


「これあいつのだろ」


そう言ってあたしに背を向ける大貴の服を掴む。


「でも、花だよ」


「ただの」


捨てることない。
あたしたちの部屋に置くのが嫌なら、後で返せばいい。

その可愛い花を捨てるのは、あんまりだと思った。