その事実を頭で理解した時にはもう、大貴はあたしに覆いかぶさっていた。


考える暇もなく、唇を重ねる。


驚いて、呼吸を忘れた。


数秒後、二人の間に僅かな隙間が出来ると

「千夏息してない。口開けて」

言われるままに口を開けて息を思い切り吸う。

そしてゆっくり吐き出した。


それに合わせて少しだけ瞼が下りる。

するとまた口は塞がれて、中に何かが入ってきた。


「ん……っ」


大貴は怯えるあたしを捕らえる。
初めての感触に、あたしはわけがわからなくなる。

息苦しくて、左手で大貴の腕を掴んだ。