唇を離して、目を開ける。


するとそこには目を覚ました大貴の顔があった。


「うわっ」


驚いて飛び起きる。


「寝込み襲うなよ」

大貴は笑いながら言った。


「ちがっ!!」

わないけど……!

あたしは顔が熱くなった。



大貴は大きなあくびをすると

「まだ寝れるだろ」

と言って、ベッド横のチェストに置かれた時計を見た。

時計は午前5時を指している。


大貴は腕を伸ばすと「ほら」とあたしを促した。

あたしはまだ顔の熱が冷めないまま、その腕に頭をのせる。


昨日あんなことがあったせいだろうか。


今日は少し、いつもより……


そんなことを考えていたら、腕枕が突然頭の下から引き抜かれた。