サインをした後、わたしたちはアンケート用紙にも記入した。

アンケートはどこにでもあるような簡単なものだ。

名前・慎重・体重・年齢・住所といった個人情報や、今まで付き合ってきた人数・恋愛傾向などを書いた。


アンケートが終わると、次は個別の面接をすることに。

わたしには御堂さん、真子には先ほど紅茶を運んで来てくれたお姉さんが担当するらしい。


なんでも、より正確なデータをとるためとのこと。


「では、香月美紀さん。これから簡単な質問をしていきますので、お答えください」


「はい」


御堂さんは細くてキレイな指でペンを持った。


「まず、好みの男性のタイプを詳しく教えてください」



「えーと、わりと細身で背の高い人が好きです。あと、優しい人がいいです」


「香月さんの身長は160㎝とありますが、身長差はどれくらいが理想ですか?」


「170㎝以上あると嬉しいです」


「香月さんは現在17歳でいらっしゃいますが、年齢差はどれくらいがご希望ですか?」


「そうですねぇ……できれば2,3歳は年上のほうがいいです」


「男性の髪型に希望はありますか?」



「えーと、わたしがクセっ毛なので、ストレートな人が好きです」


御堂さんは次から次へと質問をして、そのたびに几帳面な字でわたしのメモができていく。



「では、最後の質問です。恋愛とは何だと思いますか?」



ふわふわして、甘い砂糖菓子みたいなかんじ?

それとも、スパイシーで情熱的なもの?



きっと人によってたくさんの答えがある質問だと思った。

でも、わたしの答えは決まっていた。



「寂しいものです」