御堂さんは軽やかにしゃべり出した。



「そしてサンプルに選ばれた1名と1週間デートをしていただき、恋愛サンプルは終了となります」



「あの、ひとつ質問してもいいですか?」


わたしはおずおずと右手をあげた。


「どうぞ」



「それって、いくらかかるんでしょうか?」


高い請求とかされそうで、なんだかちょっと心配になってきた。


「ただいまご説明させていただいたプランはすべて無料でございます。サンプルですから」


しかしわたしの心配をよそに、御堂さんは相変わらずの笑顔でそう答えた。


「無料なんですか?……どう考えても、サンプルになってくださる方は割に合わないのでは?」



わたしの指摘に、真子もそういえばという顔をする。



「その点は心配ないですわ。当店では、ご理解を頂けた方にサンプルをお願いしていますので」


なるほど~とか言いながら真子は感心しているが、わたしは納得がいかない。



何か大切なことを隠されてる気がしてならないのだ。