お店の奥から出てきたのは、仕事のできそうな黒いスーツとミニスカートをまとった、超絶美人なお姉さん。


髪の毛からクツまで黒一色でまとめていて、白くて長い足が印象的だ。



｢お客様、当店は初めてでございますか？｣


｢…あ、はい｣


わたしと同じく見とれていた真子が答えた。


｢ありがとうございます。わたくしは当店"Honey Garden"のオーナーをやっております、御堂麗奈(ﾐﾄﾞｳ ﾚｲﾅ)と申します｣


そう言って、御堂さんは素敵に微笑んだ。



｢あの、カードに書いてあった"恋愛サンプル"って何ですか？｣


真子が興味深々と言った面持ちで聞いた。



｢はい、ご説明いたしますわ。よろしければソファーに腰掛けながら紅茶でもいかがですか｣


｢わあ、ねぇ美紀ちょっと聞いてこうよ～｣


｢うん｣



わたしたちは案内されたソファーへ移動した。


するとどこからか店員さんらしき女の人が紅茶を運んできた。


ティーカップはピンク色の花が描かれていて、とても可愛らしい。



｢では、説明させて頂きます。恋愛サンプルというのはお客様に簡単なアンケート・面接を行いまして、そのデータを元にお客様に適するお相手を選択するというシステムになっております｣