「ね、お父さん。 あたしもう高校生だよ?」
私の手の中には包みから解放された、
三十センチくらいのピンク色のウサギのぬいぐるみが乗っかっていた。
確かに可愛いけど、私だってもう高校生だ。
よりによって、なんでぬいぐるみ……
「いや、だってお前、誕生日の用意はいらん、とか言ってたくせに、急に予定がなくなったなんていうもんだから。
母さんはケーキ作って父さんも慌ててプレゼント探したんだ。
プレゼントあるだけいいだろ、可愛いし」
さすが我が親父。
なかなか痛いところをついてくる。
かくして母に「うーちゃん」と名づけられたそのウサギは
私の部屋に連れて行かれたのであった。