「不思議なこともあるものですね」
と私は他人事のみたいにミルクをもうひとすすり。
だって目が覚めれば私には関係ないもんね。

しかし、隣で口を拭われているうーちゃんは、暫くもごもごと動いていたけど、口をキレイにしてらったとたん、おばさんの腕からすり抜けてこういった。

「これだよ、アリス。これを解決すればいいの」

まーたまた、何を言い出すんですか、このウサギちゃんは。

私が呆れた視線を向けてもうーちゃんはくじけない。

また両耳をぱたぱたやりながら、行こう、行こうと私の服の裾を引っ張り始めた。

「わかった、わかったよ。 行こう」

適当に辺りを散歩して、どうしようもなければすぐに帰ってくればいい。

とにかく、今はうーちゃんをなだめるのを優先したほうがいいみたい。

私は、おばさんに冷えるから、と貸してもらったショールを羽織って(もちろん、うーちゃんもおそろい)外へ出た。