「いいから。黙ってろ…」


智は、出血してる部分にゆっくりと舌を滑らせた。


「やぁっ……やめてっ……やめてよっ……」



全身がしびれそうな
甘い感覚に襲われた。



「やっやあっ…だからっ……やめてっ!!!」

私は、智の手を振り払った。


「血、止まった?」

意地悪そうな笑顔を浮かべながらも
心配そうに私を見下ろす。

その笑顔が
意地悪なのに
可愛すぎて―…

私は
言い返す事さえ
忘れそうになった。


「とっ止まったわよ………お、お礼は言わないからねっ!!」
「別にお礼とかいらないし。」
「あっそっ!!!」



しばらくは
智の姿さえ
見ることができなかった。