その時




「ただいま―…」




智が帰ってきた。




「智お帰り―!」


智に気をとられ、包丁から目を離した。





その瞬間、指に激痛が走った。




「ぎゃあああ―っ!!!!」

「あかね!?!?」



指…切った………
それも、けっこう深く。


やばい…これ、まじ痛いよ。




「お前っ、大丈夫かよ!?!?」



智がすごい速さで駆けてきた。



「大丈夫!!!……たぶん」

いや、全然大丈夫じゃないです。

泣きそうなくらい、めっちゃ痛いです。