「俺、好きなやついるから………麻衣子のことは、すごく好きだった。守ってやりたいって思った。

けど今は、お前以上に一緒に居たいやつがいる。
お前以上に、守ってやりたいやつがいる。

……ごめんな……。」





麻衣子は、俺を見てにっこり笑った。





「ったく、仕方ないなあっ!!智はその子に譲ってあげるかっ!!」




麻衣子は笑顔で言っているものの、すぐ下を向いてしまった。




「麻衣子……」

「気にしない、気にしない♪」




ありがとう麻衣子…




「あと、金曜日なんだけど……」

「あー、いいよいいよ!!
だって、一緒に居たい子いるんでしょ?
だったらその子といなよ!!」



「………ありがとう麻衣子………。じゃあな……」


「うん!!またねっ♪」




店を出てから、俺は急ぎ足で家へ向かった。


麻衣子の思いを無駄にしないように――……