雑貨屋をあとにし、商店街をブラブラ。


「俺のど乾いた。ちょっと買ってくるから、ちょっと待ってろ。」


智が自動販売機に走っていった。

結構遠いな……




気が付くと、空はきれいに夕焼けで染まっていた。


夏らしい空だなー。



ふと気が緩んだ。
その時、肩に手が乗った。


智かな?


「智おかえりっ……」


智じゃなかった。



………誰?


「ねぇねぇ、君今一人?」
「俺達と遊ばね?」




これはナンパとやらですか。



「いや、私人待ってるんで。」


「いいから、いいからっ♪」




そう言って、腕を掴んできた。




「やっやめて!!!」



抵抗してみたものの、力が強くてびくともしない。


やだっ、このままじゃ路地裏に連れ込まれるっ…


「いやっやめてっ!!!」


そんな時、頭をよぎったのは―――



「おい。俺の連れに何してんの?」




智―――。



「んだよ?お前の連れか?」


ものすごい形相で智はそいつらを睨んだ。


「っ…い、行こうぜ…」


「あかねっ大丈夫かっ!?!?」



さっきとは違う、優しい顔で私を見つめる。



「う…うん…。ありが…と……。」




この時

どうかしたんじゃないかってくらい

心臓がうるさかった。