――数分後


結局、適当に取り出した半袖のTシャツと、ショーパンを着ていた。


「終わったよ!!行こ行こ♪」


「よっしゃ行くぞ!!」




そう言った直後
智はいきなり
私の手を握ってきた。



「ちょっ智!?なんで手握んの!?」




顔が徐々にほてってくるのが分かる。

きっと今
私の顔はきれいな赤に染まっているだろう。




「いいから!!お前危なっかしーからよ。」



ちょっとツンとした言い方で言った。




――でも微かに見えた


その、あまりに顔立ちの整った顔が


ほんのり、朱色がかっていた気がした―――




「あれれ―?智さん。ほっぺ赤いですよ―???」


ちょっとからかってやろうと思って、いたずらっ子な目で言ってみた。



「うっうるせぇっ!!!」





その時は声だけで
顔は見えなかった。



けど―――


握ったその手が


やけにあたたく感じた――