私は結局何も盗らずにその店を出た。

代わりに,近くの薬局に入った。

「ちょっと!ホントに何がしたいの!?」

まだついてくる凌央。

「…」

無言でついてくる。

これじゃ,まるでストーカーじゃん!

すると凌央は私の手を掴んできた。

「離してよっ!」

「後悔…してほしくねぇから…」


そう言った凌央の目は,


哀しそうで


淋しそうで


弱々しくて…


でも,何かを強く訴えている…


そんな瞳だった。





このとき


凌央は


私に伝えてくれようとしたのに。


なんで気付けなかったんだろう??


私は

本当にバカだった。