やっと一回転して戻って来る頃には中森が震えていた。





「こ、怖かった。」




「じゃぁ、帰ろっか。」





あたしが手を出しながら聞くと。






「まだ、行くとこあるから。」





そう言って何もなかったかのように歩き出した。
また、電車とバスを乗って着いたのは……






「ここ。俺の家。」





中森の家だった。








「お、お邪魔します……。」





「あら、どちら様?」






若そうな女の人が出て来た。お姉さんかな。







「俺の彼女。」





そう、きっぱりと伝える中森。
は、恥ずかしいよ…





「こっちは俺の母さん。」





「初めまして。卓也の母です。」




あたしは急いでお辞儀した。




「ど、どうも!!中村 真莉乃です。」





自己紹介をする。