「はぁ…相変わらずお前は…。」




いつの間にか、あたしの後ろには健伍が立っていた。
いつの間にっ!!




「ぜってぇー渡さねぇ。」



中森がすごい顔をしながら睨み合っている。
は、入りづらいっ……



「真莉乃は俺がもらう。今の真莉乃の心にはお前はいない。」



そう一言、余裕そうに言い放ち。
あたしの手を引いて歩き出した。




「ちょっ?!健伍?中森?どういうこと――?!」




あたしは、よく分からないまま家へと戻された。
そして、今健伍とあたしはベッドの上に座っている。






「どうしたの?健伍。」




いつになく、真剣な顔に圧倒される。
健伍のきれいな顔に見つめられると緊張する。



「今から俺の話すことをしっかり聞いてくれ。」





健伍は静かに話し出した。