「あの、スライダー行こう!!」





鈴菜は積極的に憲兎を連れてスライダーへ行ってしまった。



ポツーンと残されたあたしと中森。
この展開、どーすればっっっ!!

あたし一人パニックになっていると…




「俺さ。真莉乃と離れて、よくわかった。」



中森がゆっくり、少しずつしゃべりだした。
あたしは、それを黙って聞く。




「俺には、真莉乃がどれだけ心を支えてたか。毎日不安になった。真莉乃がほかのやつに目移りしたら、とか。俺のことなんか必要なくなったら、とか。でも、」




中森が、寂しそうな顔をしながら言った。




「でも、俺は。どうしてもお前がいねぇとだめみたいだ。」




あたしは、何で中森が寂しそうな顔をしながら言ったのか分からなかった。






「これだけは言っておく。」





あたしのほうに向き直って一言。





「俺は、真莉乃を誰にも渡す気はねぇ!!!よく覚えておけ!!健伍!!」





ん?け、健伍?
あたしは勢いよく後ろを振り返った。