「これ、可愛い!!」
あたしが見つけたのは、ピンクのフリルがたくさんついたプチドレス。
ドレスっていってもほとんどワンピースのようなものだが…
でも、あたしにはきらきらひかる宝石のように見えてしまって目が離せなかった。
「ん?そんなんでいいのか?」
お兄様が横からのぞきながら残念そうに言う。
「だって、可愛いんだもん……」
あたしは、ただ純粋にそう思っただけで…ほしいとかじゃなくて、着てみたらどうなんだろうって……そんな自分を想像してみたらきらきら輝く未来しか見えなくて…
「しゃーねーな。これで最後だぞ?」
やった!!と思いつつも後悔する。だって、さっきからかなり買ってもらってばかりなのだから…今月ピンチと言いつつも、私が可愛い・ほしいと行ったものは必ず買ってくれた。
「大丈夫なの?今月ピンチなんじゃ…」
すると、ははっと一言。
「大丈夫。来月もピンチになるだけだし…真莉乃の悲しい顔を見る方が辛いから。」
なんて、紳士的なんだろうと思った。
こんな素適な夫を手に入れた柚芽さんはもっと素敵だったのかな?と思った。
……ずっと、この二人が幸せでありますように。