その部屋は、手術ではない上に心を落ち着かせている必要がある為なのか、淡く、薄暗い照明に包まれていた。


採卵の時には眩しいぐらいだったからまるで違う部屋のよう。


台に上がり、足を開いて固定された頃


「じゃあ行こうかー!!」


元気な声の院長先生と、白衣、キャップ、マスクを装着したリュウジも登場。


左の上部に大きな画面がある。


膣洗浄が終わり、ゾンデ診で選ばれた私の子宮に合わせた長さのチューブが挿入される。


卵ちゃんは更にそのチューブから押し出すようにして注入される。


名前、住所、電話番号を唱和して準備が整うと、隣の部屋から女性の声。


「桜木葵さんのディッシュ出ます!」


私の卵が乗せられたディッシュがやってくると左の画面の電源が入り……