「家同士の繋がりです…。父同士がご学友でしたので、自然と冬馬様には惹かれました」


「ほぉ、特にどこに惹かれたんですかね?」


グッと指から力が抜ける


どこに?坊っちゃんのどこに惹かれたか?


惹かれてないから答えられない!!!


ちょっとした動揺で、私の駒が取られる


卑怯な手を…


そう言われていたのに!


自分がどんどん不利な立場に流されている気がして不安になる


集中…ってどうやるんだ?


頭がプチパニックになりかけた時、正面に坊っちゃんが笑顔でいたのを見つけた!


何で笑ってるんですか?


『冬馬様はあなたを信じている』


最初の課題の時、東海林さんが言っていた


私を…信じてるの?


勝てると??



私が勝つと信じている…


「冬馬様の良さは、表に出ていない部分です。顔や背丈…そういった表面の部分ではありません。」


「ほぉ…」


「確かに容姿も優れていますが、真に魅力的なところは中身です。冬馬様は、何にも折れない強い信念をお持ちです。その為にはどんな努力も惜しまない、そんな勤勉さをお持ちです」