「梶屋敷様…将棋か碁かオセロか…何かで決着を着けるのはどうですかね?」


「オセロ…将棋?」


「小桃はオセロが得意でね、学生チャンピオンになったりした事があるんですが…それはフェアじゃないか…」


ボソッといったつもりか、その声!!


ってか誰が学生チャンピオンだと!!??


オセロなんぞ1年に1回するかしないかなのに!!


と思いながらも、無表情を作って坊っちゃんの話に合わせる


無表情をつくるのは、私の得意技だから


坊っちゃんがふと視線を上げた先に誰か居たようで、「思い付いた!」と言うような顔を作った


私にはそれが演技だと気付いていたけど


「倉科!!お前、いつものチェス盤、持ってるか!?」


倉科???


私が目線を坊っちゃんに合わせると、そこにはさっきの劇作家ではなく、若い青年が立っていた


「先程お会いになった倉科様の息子様で、冬馬様のご学友です」


東海林さんのフォローが入る


友達…?


「持ってるけど…お前、めちゃめちゃ強いだろ?」