自信満々に私の顔をチラリと見ては鼻で笑う


コイツ…


こんな屈辱…味わうなんて


この人は今までこうやって生きてきたんだ


家柄と名声で、弱いものを黙らせてきたんだ…


そんな最低な奴に…坊っちゃんが悪く言われるなんて…

私のせいで…


胸の奥に熱いものがジワジワと溜まる


でも気を緩めるわけにはいかない




「失礼ですが、梶屋敷様、うちの小桃は育ちが良いもので、真実以外の事は口にはしないのです。」


坊っちゃんはしれっとそんな大嘘を堂々と言って退けた!!


えー…っと誰の育ちがいいですって?


「何だと?」


「小桃は嘘などつきません。私が保証します」


「では、私が嘘をついていると?証拠でも?」


梶屋敷が周りを見回すと、目撃者達はこぞって目を反らしていく


「成る程…『触った』という証拠は無さそうですね…」


坊っちゃんは辺りを見回して頷いた