「はあー?何だと!?」

「あれ?間違ってましたか?」

坊っちゃんがチェス盤に食い付くと、しばらく睨み合って私を見つめた

「お前、さては初めてじゃないな?」

「いいえ…初めてでしたけど?」

「お前…ムカつくな!」

「それはすみません…」

しれっとして答えると、また坊っちゃんが不機嫌な顔をする

「それでは私はもう休ませていただきます」

「勝ち逃げは許さんぞ!」

「今度の復習くらいゆっくりさせてください」

私が立ち上がると坊っちゃんは私の腕を掴んで引っ張る


「ちょっ!!」


「もう一回!そうしたら部屋に行ってよし!」

「〜〜〜」

私は苦い顔をしながら仕方がなくもう一勝負に付き合ってあげた

だから坊っちゃんは嫌なんだよ!

負けず嫌いだから







結局一回も坊っちゃんは勝つことがなく、明け方まで勝負は続いたのでした…