私は長い廊下を歩き、坊っちゃんの部屋まで歩く

コンコン

「どうぞ」

執事なんだか、秘書なんだかわからないポジション、東海林さんの声がする

「失礼します」

坊っちゃんの部屋に入ると、坊っちゃんはちょうど着替えをしているところだった

ネクタイを手にかけ、美容師さんが後ろから髪をセットしていた

「あの〜」

「ごめんね、小桃ちゃん。突然こんな事になって…」

まったくだ…

と心の中で思ったけど、あえて苦笑いでやり過ごした

「成績優秀、記憶力、運動神経も優れている…」

坊っちゃんが何かの書類を見ながら呟いた

「なのに、進路は『就職』勿体ないな…」

「はぁ…」

そりゃあ、私は高校に行くお金なんかないし、小学校からお世話になってるこのお屋敷で恩返ししていくつもりだったから…

「お前に条件を出す。その代わり、お前を高校に行かせてやろう!」

は、はぁ?

坊っちゃんは勝ち誇ったように笑いながら私を見た

条件?

ま、まさか…

エッチな事じゃないでしょうね!?

だって専属なんだし…