「ほら、莉子ちゃん。その朝食と一緒にこの子も連れてって!」

「はーい!」

今まさに坊っちゃんの部屋に、銀の食器に包まれた朝食が運び込まれようとしていた

「そんな〜」

「行こう、小桃ちゃん。」

莉子先輩がワゴンを押しながら私に声をかけた



「早くしないと、ワゴンにくくり付けるよ!」

ひぇっっ!








「ったく。贅沢だよ、小桃ちゃん…。坊っちゃんと同じ特別メニューだよ」

莉子先輩は二十歳そこらでぽっちゃりしてる人だ

あだ名は「食いしん坊」



私は先輩の後をトボトボと歩いていった

「特別メニューじゃなくていいので、みんなと食べたいです…」

「うわっ!通いメイドチームに聞かれたら殺されるよ〜。あの人達、自腹でエステに行ってるんだから!
坊っちゃんのお手付きのために」


莉子先輩がニヤリと笑って振り返る


私は呆れ顔を作った

あ、あほくさっ


「願わくは、代わっていただきたい…」

「あの人達じゃ無理でしょ!小梅の妹には敵いません!」

またか…



莉子先輩はうししと笑った…