「 ……それで?」
「 ……それだけ。」
まだなにかあるだろうと尋ねたその言葉はあっさり返された。
「 ………。」
「 ……今、ウザいって思ってるでしょ… 」
「 …少し、ね。」
「 …っ、ひどいっ、」
そう言って彼女は、涙を浮かべた瞳で僕を睨みつける…
「 …だって、なにごとかと思えば、ホワイトデーって…… 」
僕が呆れてそう呟くと、ナナは必死になって声を上げた
「 今まで付き合って来た男の子は、みんなお返しくれたもんっ!!しかもブランドものばっかり!!」
「 ………。」
( …そうか、
ナナのわがままは、過去の男たちが原因か。)
彼女の話に、思わずそんなことを考えてしまった…
贔屓目なしに見ても、綺麗という部類に入る彼女だ。付き合いたいと願う男も多いのだろう。
お姫様扱いされてきたことは、容易に想像がついた……
「 ………今、ウザいって思ってるでしょ… 」
「 …かなり、ね。」
「 …っ、徹のばかっ!!」