泣きじゃくるナナを僕の部屋に入れ、ソファに座らせた。
コーヒーも紅茶も飲めない彼女に、ホットミルクを出してあげると…
「 …ココアがいい。」
と、相変わらずのわがままを言う…。
その様子に、どうやら少しは落ち着いたこということが判り、僕は小さくため息を零した…
「 …なにかあった?」
「 ……。」
僕が尋ねると、ナナは顔を伏せた…
答えないとはいえ、だいたいの理由はなんとなく予想はついた。
「 …店長となにかあった?」
「………っ、」
僕のその言葉に、彼女の肩が小さく揺れた…
「 …っ、そーちゃんがね…、」
話出したその目には、再び涙が浮かび始めている……
「 …そーちゃんがっ、
ホワイトデーなのに、なにもお返しくれなかった…… 」
「 ……は? 」
自分でも驚くぐらい間抜けな声が出た。