佐伯さんの部屋の前でそんなやり取りをしていると、
突然、
佐伯さんの部屋の扉が、バンっと勢いよく開いた…
「 痛"っッ!!」
そのせいで、由貴子さんがドアに頭を打ち付けられてしまった……
「 痛っ~~、」
由貴子さんがおでこを押さえてうずくまる。
その様子に、ドアを開けた本人である佐伯さんはこの状況を瞬時に理解したようで、
「 すすすっ、すみませんっッ!!」
と、血相を変えて佐伯さんが由貴子さんに駆け寄った…
「 あはは、大丈夫大丈夫… 」
由貴子さんが笑ってそう答えるけれど、その目にはうっすらと涙が浮かんでいた…
「 あっ、私 なにか冷やすもの取って来ます!!」
私は慌てて自分の部屋に入った。
そして
おしぼりを水に濡らし、それを持ってすぐに部屋から飛び出した…
「 …由貴子さん、大丈夫ですか?」
「 ありがと、
大丈夫だから… 」
おしぼりを受け取りそれをおでこ宛てる由貴子さんは、そう返した言葉のあとに、
「 …ところで佐伯くん、
そちらの綺麗な子は、佐伯君の彼女…?」
と、ついに本人に聞いてしまった…