そのまま廊下を歩き、佐伯さんは私の横を通り過ぎていく…


そうして204号室の部屋に入っていこうとしたその時





「 徹〜!!待ちなさいよ〜!!」

と、階段を駆け上がってくる足音とともに、そんな声が響いた…




その声の主は、

先週 佐伯さんが一緒に連れて帰って来ていたあの女の人…。



私とは正反対な、

背も高くて
大人っぽい女の人だ…












「 …ナナ、騒がないで。

近所迷惑だから… 」



「 私を置いてく徹が悪いんでしょー!!」



二人は玄関先でそんな風に言い合っていた…


口喧嘩みたいだけど、それはなんだかとっても親しげな雰囲気を醸し出していた…








……ナナ




ナナって、

名前呼び捨て…




やっぱりこの2人はそんなに親しいのかな……






佐伯さんは秘密って言っていたけれど、やっぱり恋人なんじゃないの…?


そう思ってしまうと、泣きそうになる…