ようやく落ち着いたふたり。
口を開いたのは涼太だった。
「アイツと遊んでたの?」
「あ、高津?」
僕から見ているとふたりは絶対に両想いだと思う。
「うん。みんなでカラオケに……」
「ふーーん」
スネてるのか、涼太!!
かわいい~!!
「アイツ、真面目にやれば、才能あんのにな」
涼太は、ほどけてもいないのに靴ひもを結びなおした。
桜子は、横目で涼太をじっと見ていた。
「アイツのことよろしくな。いいやつだから」
涼太は、靴ひもを結びなおしながら、桜子を見た。
目が合った。
僕はドキドキしていた。
ふたりのドキドキが伝わってくるから。
「いや、別に俺が言うことでもないんだけどさ」
さっきから涼太ばかりが話している。