「血、出てるよ。これ、使えば?」 ぶっきらぼうな言い方は、照れ隠し。 涼太は首にかけていたタオルを桜子に投げた。 「きゃ!」 桜子は、もらったタオルをじっと見つめていた。 「何してんだよ。早く、血止めないと!!」 桜子の手からタオルを奪った涼太は、桜子のひざにタオルを当てた。 桜子の顔も涼太の顔も 真っ赤だ。 それを見守る僕の顔も……