真っ赤な顔の涼太はそれを隠すようにタオルで顔の汗を拭いた。
桜子のひざを拭いたタオル。
「あそこの公園で、時々練習してるんだ。学校ではあんまり変な練習できないから」
涼太が指差した公園は、桜子の家から自転車で5分くらいの場所。
「先輩の目もあるし……あんまり目立つプレーはできねぇんだよ。前に練習してたアレはもう完璧になったけどな」
照れてる涼太はかわいい。
涼太は照れるとよくしゃべる。
「見に行きたい!!」
「今から時間あるならちょっと見る?」
涙が出そうだ。
涼太が桜子の自転車を押し、その横を歩く桜子。
僕の出番はなさそうだ。
僕は公園のジャングルジムの上からふたりを眺めていた。