「危ない!・・・後ろ!」


 誰かが叫んだような気がした。


 言われて後ろを振り向くと、一体のギアがこちらに迫ってくるのが見えた。


 煙を上げている。


 皐月が、最後の力を振り絞って、一体撃破したのだ。


 しかし・・・・この落下角度は、間違いなく私たちに向かってきている。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・避けきれない・・・・。


 咄嗟に判断できた。


「うそっ!」


 叫んでみても、状況は変わらない。


 視界の中に、どんどん広がっていく落下するギア・ドール。


 ・・・・・・・・・あ、私・・・・・・ここで死ぬんだな・・・・・。


 心のどこかで覚悟を決めた、そのときだった・・・。


「キラ!」


 突然、引っ張られる私の右手。


 そして、次の瞬間・・・・・私は空に浮いていた・・・。


 鈴蘭が、私を投げ飛ばしたのだ。


「鈴蘭!」


 空に浮かびながら、私は大声で叫ぶ。