「いっそうのこと、乗り換えたら?」
菫がギアに乗ったまま提案してくる。
白い機体に自分が乗れということなのだろう。
「冗談・・・。」
「案外、アンタなら使いこなせそうな気がするけどね・・・。」
「それで、世界征服でもしますか?」
「たった、ギア一機で?」
「俺なら、可能やで。」
「言ってなさい・・・。」
下らない軽口をたたいている間に、海人は白い機体に辿りつく。
仰向けに大の字になって倒れている白い機体。
こうしてみると、やはりでかい。
「貫通していないやと・・・。」
海人が真っ先に目に入ったのは、なんと言ってもコックピットだった。
あれだけの直撃を受けたにもかかわらず、貫通せずに弾丸はすべて体内に収まっている。
奇襲攻撃を仕掛けたから、まだ辛うじて勝利を収めたものの、まともに遣り合ったらどうなっていたか・・・。