「本当に、大丈夫なの?」


 再度、同じコトを聞く菫。


「一応な・・・。」


 そんな言葉で返して、誤魔化す。


 コックピットに落ちたタバコを拾い上げ、再び火をつける海人。


 一息ついて、皐月のエンジンを切る。


 煙を上げているのはあの白い機体だけではない。


 皐月の右手、背中・・・。


 無茶をしすぎた・・・。


 できることならば、すぐに戻ってアルクのメンテナンスを受けたいぐらいだ。


「まったく・・・皐月の修理費ぐらいは何とかなるか・・・?」


 タバコ片手に、再度海人は皐月を降りる。


 幸い、自分自身に外傷はない。


 多少足はよろつくが、これぐらいなら別に平気だろう。


 白い機体を回収する手立てを考えなければ・・・。