「野党があれを奪ったのか?」


 今、一番考えられる可能性。


 皐月の二倍はある巨大な身体。


 背中には、身体と大きさと同じぐらいの巨大な剣と盾が構えられている。


 そして、自分や菫が持っているような威嚇用ではなく、確実に軍用のマシンガン。


 一発でも直撃を食らったら、致命傷につながることぐらい容易に想像が付く。


「子どもが持つ玩具にしちゃ、高価すぎじゃない?」


「まったくや・・・。」


 海人はポケットからタバコを取り出し、先端に発火。


 ゆっくり一息ついて、死を覚悟する。


 この世界で一番怖いのは、物事をあまり良く知らない子ども・・・。


 ましてや、それが化け物の力を持っていたとしたら、なおさらだ。


 正直、正面からぶつかって生き残れるとは思わない。


 ならば、せめて菫だけでも逃さないと・・・。


「海人・・・、私だけ逃そうとか馬鹿な考えを起こすのはやめてよね。」


 考えを先に読まれた。


「滅相もない・・・。」