「おい!大丈夫か?」


 瀕死の息をしている虎神兵に声をかける。


 どう見ても、すぐにエリアスに見せないと危険だ。


「あ・・・あんた・・・弁財天・・・弁財天を止めてくれ・・・。」


 朦朧とした意識の中、息も絶え絶えに言葉を発する兵士。


「・・・・・え?」


 弁財天・・・?


 一体、何の話をしているのだ・・・。


「海人!!」


 思案に暮れる時間は、菫の大声で終わりを告げる。


 ギアの外部スピーカーから響く声。


 耳鳴りがするぐらいうるさいが、今はそれを気にしている場合ではないだろう・・・。


「どないした?」


「すぐに、皐月に戻って!!」


 声からして、何かが迫っているのが分かる・・・。


「あ、ああ・・・。」


 その迫力に押されて、海人は兵士を担いで戻ろうとしたが・・・


「死んだんか・・・?。」