その日の昼。


 菫と海人は、再び、昨日の戦場跡に赴いていた。


 天気は相変わらずの曇り空。


 太陽の光なんてどこからも差し込まないのに、ご丁寧に熱気だけはしっかりと世界を包み込む・・・。そんな気持ち悪い天気が続いている。


 まったく・・・。こんな日に仕事をしなければならないとはな・・・。


 心から思うが、冷房器具の少ない家の中にいても大して変わりないのだから、まだ金を稼いでいる方がマシなのだろう・・・。


「ここだったよね?」


 昨日、白い機体場所があった場所。


 二人が、最初に来たのはそこだった。


 特に意味があったわけではない。


 だが、なんとなく足が出向いたのだ。


 しかし、ここに来て、二人はさっそく後悔をした。


「・・・ああ。」


 菫の不安そうな声に対して、海人の震えたような短い返事。


 昨日、ここにあったものの消失。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・白いギアが消えていた。


「どういうこと?」


 自分に聞かれても困る。


「一番の可能性は誰かが回収したんやろうな・・・。」


「・・・どうして?」


「元々回収されない方がおかしい機体やで・・・。」


 無傷の最新兵器。


 アトランテの物なら特に、自軍の兵器だっていつまでも外にさらして置きたくないはずだ。