「物騒だな?」


 エリアスに動じた様子はない。


 海人が本気で撃つことはないと達観しているのか。


 それとも・・・・・・本気で撃たれてもかまわないと、考えているのか・・・・・・・・。


 どちらだろうと、海人にとってはかまわない・・・・・・・・・。


「こんなこと、俺の趣味やないんやけどな・・・・・・・。」


「なら、下ろせ・・・・。」


「そんなことができるとでも?」


 もし、この銃を下ろして、何かが変わってくれるなら、喜んで銃をポケットにしまおう。


 だが、実際にそんなことは起こらない。


「撃ったところで、何も変わらないさ・・・・。」


 拳銃一本で、何かが変わってくれるほど世界は甘くない。


 エリアスが死んで、その後、どうなるというのだろうか?


 彼女はタバコを大きく吸って、紫煙を吐き出す。


「ここで、私がキラの情報を軍に流すことをやめたら、ジンに殺される。どちらにしても、後には引けないんだよ・・・・。」