「直感・・・・か・・・・・。私もなめられたものだな・・・・。」


 エリアスは、大きくため息をつきながら、タバコをポケットから取り出し、口にくわえて火をつける。


 一息ついて・・・。


「ならば、仮定の話として私がキラを見張る軍人のスパイだとしたら、お前はどうする気なんだ?」


 紫煙とともに自白する。


「また、あっさりと白状するものやな?」


「仮定の話・・・・と言っただろう?」


 まぁ、そういうのならば仕方ない。


 海人は、ちらりとエリアスの方へ視線を向けると


「・・・・・すぐに、見張りを解除しろ。」


 すぐに、視線を元に戻して静かに口にした。


「また、どうして?」


「見張られていたんじゃ、ろくに口説くこともできないやろう?」


 本当は、そんな理由ではないのだが、ある意味それに近いかも知れない。


 ・・・・・彼女を・・・・・・解放してあげたいなんて・・・・。


「同じ境遇の女性に同情でもしたか?」


 さすが、エリアス。


 鋭いな・・・・・


「まあな・・・・。」


「いやだ・・・と言ったら?」


 エリアスはあくまで自分の方を見ることなく答える。


 その答えは予想していたし、それ以外の答えが返ってくるとも思っていない。


「・・・・・・・・・・・・・・・」


 海人は、何も答えず、静かにポケットからリボルバーを取り出すと、銃口をエリアスに向ける。


 紫煙は相変わらず、二本仲良く真上に伸びていた。