「キラ・・・軍人に監視されているらしいな?」


「・・・・そうなのか?」


 今、知ったかのようなエリアスの口調。


 とぼけるのが、うまいことで・・・。


「いつまで、こんなこと続ける気や?」


 あくまで海人の視線は真上に上がり続ける紫煙を向いたまま。


 それ以外には興味がないかのように、エリアスに話しかける。


 とぼけるなら、とぼけ続けろ。


 それでも、俺は聞き続けるだけだ。


「・・・・私を疑っているのか?」


 疑念に満ちたエリアスの声。


 そんなこと、よくも言えるものだ。


 エリアスの顔が語っていた。


「まあな。」


 海人の短い返事。


 余計なことは言いたくない。


「証拠は?」


「ない・・・・・・・・ただの直感や。」


 本当は、アルクに調べてもらえれば、いくらでもウラが取れるだろう。


 そうなってから、証拠を彼女に突き詰めて尋問するのが、一番簡単で効果的なやり方ではある。


 だが、エリアス相手にそこまでやる必要なんてない。


 本当に彼女が軍の人間ならば、そこまで問い詰めなくても、答えてくれるはずだ。