「うまく行くとは思えないけどな・・・。」


 アルクが、再び口にする・・・。


 自分だって、思う。


 軍の諜報部ともなれば、演技で自分を偽ることぐらい造作もないだろう。


 表向き、いい人間だからって、信用はできない・・・。


「でも、やらないよりはマシやろう?」


 アルクと菫を見渡して思わずにやける。


「まぁ、海人が、そう言うなら止めないけどね・・・。リボルバーぐらいは持っていけよ。」


 海人愛用のハンドガン。


 オートマチックシステムの、10発が発砲可能。


 今となっては、どこにでもある一般的な拳銃である。


「当然。」


「はぁ~・・・海人、アンタって、案外馬鹿でしょ?」


 菫の的を射た言葉。


 否定する気はない・・・。


「俺かて、そこまで期待しとらんよ・・・。」


 そんな言葉でまとめて、その日は二人から逃れさった・・・・・・・・・・・。