「・・・・・・別に、どうするも何も、そういう話だったら見張りを解除してもらうしかないやろうな・・・。」


 当然の判断。


 別に、軍に見張られて、困るようなことは何もしているつもりはないが、やはり居心地が悪いことには変わりない・・・。


 そして、何よりもキラが可愛そうだ。


「どうやって?」


「見張っている本人に頼むしかないやろう?」


「冗談・・・。」


 菫の言葉。


「うまく行くとは、思えないけど・・・。」


 アルクもそれに続いた。


「別に、アイツならまるっきり話が通じないやつとは思えんがな・・・。」


 アルクの言葉を聞いて、海人の脳裏に浮かんだのは、一人の人物。


 キラを見張っているのはジンではない・・・。


 だとしたら、おそらくアイツだろう・・・。


「心当たりはあるの?」


 アルクの質問。


「まあな・・・。」


 誰?・・・という質問は飛んでこなかった。


 もちろん、聞かれたところで答えるつもりはなかったが・・・。