「別に、そこら辺は何かしらの事情があるんだろう?」


 アルクの言葉。


 確かに、そこは俺たちがいくら頭を悩ませたところで、分かるはずもない。


「ところでアルク・・・もう一人の方は、調べが付いたのか?」


「鈴蘭さんね・・・。名前だけだとちょっときついな・・・まぁ、確信はもてないけど、性別が男で、年齢が彼女と同じぐらいだった人は総勢3人・・・全員、生きてないよ。」


「・・・・・・・なるほど。」


 思わず、紫煙と共にため息が漏れる。


 つまり、俺は鈴蘭でもないし、彼女が探している鈴蘭さんも永遠に見つかることはない。


 果たして、彼女になんと説明するべきか・・・・・。


「なんというか・・・。予想通りというか、あまりに平凡な結末ね・・・。」


 菫の口から紫煙が漏れる。


「そう簡単に奇跡の再会は起こりませんよ・・・それより、どうするの?海人・・・。彼女、俺たちの家に来るんだろう?」


「ああ。」


 それが、どうした?


「厄介だね。」


「どうして?」


 菫が口を挟む。


「別に、菫には関係ない話だよ。」


「!・・・なによ?その言い方?」


 怒鳴る菫を無視して、海人が声を上げる。