「ありがとうございました~」
中から従業員の声が聞こえた。

外に出るともう暗くなっていた。
首に当たる風がくすぐったい


「ちゃんと家、帰れよ?」

見上げると笑顔の城崎さんが優しい声で言った。

「はいっ。今日はありがとうございました。」

「いえいえ。」

ほんとに素敵な笑顔。
この笑顔に助けられた

「あのっ…」

「ん?」
「失礼します、」

運悪く受け付けの人が店の外に出て来た。


「店長からお電話です。」

「今行きます。」
キリっとした声で答えた

カラン

女の人が中に戻った。

「ごめん。またでいい?戻んなきゃ」


「…っはい。今日は本当にありがとうございました!」

私は恥ずかしくなってぱっと言ってその場を去った。