俺はいつも通りネクタイも締めずズボンも下げていた。 今さら隠してもしょうがないし。 幸恵さんの家に着いても、ゆあちゃんはいなかった。 「ごめんなさいね。あの子まだ帰ってこなくて。朝、ちゃんと言ったから大丈夫だと思うんだけど…」 「いいよ。ゆっくり待とうじゃないか。」 それから10分くらいして玄関の音がした。 「ただいま」 聞いた事がないような低い声。 「ゆあ…」 幸恵さんが何か言おうとした。